« 28週後・・・ | トップページ | 28日後・・・ »

2009年3月 5日 (木)

羅生門

羅生門 [DVD] DVD 羅生門 [DVD]

販売元:角川エンタテインメント
発売日:2008/05/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する


バンテージ・ポイント」で消化不良だった心の内を、スッキリさせてくださいました。
さすが黒澤御大です。

これよ、これ、こーいうのんが見たかったのよ!!

「羅生門」というタイトルとは裏腹に、
内容は芥川好きなら誰もが知る「藪の中」です。

芥川の「羅生門」イメージで見始めると面くらいます。

あ~もう、すべてが素晴らしかったです。


まず、役者さんがすごい。
三船敏郎
粗暴で、でも情にあつそうな盗賊の多襄丸。息遣いがすぐそこで聞こえそうな熱演。


京マチ子の真砂もすごい。
目。
眼力のすごさ。
弱い女や強い女を演じ分け、最後の耳に残るけたたましい笑い声。


語り部となる羅生門前のおじさん達もすごい。
皆凄いよ~。

半世紀を経て、尚一層輝いて見える映画ですね。


山中で発見された一つの死体をめぐって、関係者の聴取が行われます。
関係者の主張はどれひとつとして同じものはなく、そのひとつひとつがピックアップされたお話なのです。

さてさて、印象的だったのは、終始静かな映画の中での激しい音楽。
ラヴェルのボレロを彷彿させるリズムの激しい、曲。
何か燃え上がるような生命力を感じさせる曲でして、それが物語の前半に深さや熱さを添えているように思います。

後半の雨の音。

人間とは自分に都合よく嘘をつくものだ。
いや、嘘ではないかもしれない。
「我々はありのままに世界を見ているのではなく、【我々のあるがままに】世界を見ているのだ」という、本のフレーズを思い出す、雨音でした。


結局、真相は「藪の中」です。
多分、利害関係のない状態で話された、最後の村人の話が一番客観的なものなのだと思います。でも、彼も「正義」ではないです。なぜなら、彼も「正しいこと」を最初から最後まで話していたわけではなく、またちゃっかり「おこぼれ」を頂いていたからです。

人間の心の奥の「自分でも見えない部分」が透けて見えるような作品です。
何度でも見たい。

きっと、見るタイミング、年齢など毎に感じること、変わってくるのでしょう。
それを楽しみたい作品なのです。

|

« 28週後・・・ | トップページ | 28日後・・・ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/77306/28568616

この記事へのトラックバック一覧です: 羅生門:

« 28週後・・・ | トップページ | 28日後・・・ »