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2009年2月26日 (木)

レインマン


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この映画は、神映画です。本当に。
なんなんですか、これ。
もっと早くに見ておきたかった。でも、今見たからこそ感じるものが大きい、と自制。


88年のアカデミー作品賞受賞作だそうで。

ダスティン・ホフマントム・クルーズのやりとりから
ずーっと目が離せなかった私です。


トム・クルーズ演じるチャーリーは、高級車販売のディーラー。
親からの愛を感じられずに育ち(受け手である彼にも問題あり)
家を出てからは音信不通、というような状態で自由奔放に生活しています。

突然届いた父の訃報。

財産はたっぷりあろうかと、葬儀には参列。
ところが、いざ父の遺言書を読んでみると、父の遺産はそっくり「レイモンド」なる人物に渡るように。

チャーリーはいきり立って「レイモンド」に会いに行きます。
その中でチャーリーは知ります。
「レイモンド」は自分の兄であること。
そして、重度の自閉症患者であること。

チャーリーは遺産の分与を求めて、レイモンドを誘拐まがいに連れ出しますが・・・。

ロスまでの旅を通じて描かれている、チャーリーの心の変化が良いです。
一つの映画にしては多すぎるのではないか、と思われるほどのエピソードの中で
そのじんわりとした変化が、はっきり見て取れます。
別にチャーリーのモノローグがあるわけでもなく、ただの表情であったりとか
レイモンドとのやり取りの中で。

レイモンドを演じたダスティン・ホフマンの演技は、本当に素晴らしく私は涙が出そうになりました。余談ですが、ハンディキャップのあるひとなんかをやたらと「ピュア」「無垢」「天使のよう」に描いた作品には辟易している私なのですが、この映画ではそういった不快感もなく見ることができました。
レイモンドは「素晴らしい才能をもっている」けれど、自分の世界のこと以外は「関心はない」というようにとてもくっきりと描かれていたからでしょう。つまり、無駄に「純粋無垢」でお涙ちょうだいにはなってなかったからです。(余談ですが、ラストのシーン・・・チャーリーがレイモンドを汽車まで見送る場面のレイモンドにも、それを思いました。感慨深げなチャーリーと対照的な、【いつもの】レイモンド)


余談の、更に余談ですが


私の職場では、いわゆる「ハンディキャップのあるひと」を雇用することがありまして
かつて数人の自閉症のかたと仕事をした経験があります。

私の知る狭い世界での話ですが
総じて彼らは記憶力に優れていて、イレギュラーな状況を嫌い、
自分の手順にそって物事を進めることに関しては問題がない方たちでした。
映画でのレイモンドのように「重度」ではないので、コミュニケーションもある程度とれるわけです。
そんな中にも、やはり独特のくせやしぐさがあり、
ダスティン・ホフマンのその再現度の素晴らしさをより一層痛感したというのは言うまでもありません。


エピソードは数あれど、
個人的に好きだった場面は、
「TVを見たがるレイモンドの為に、視聴率会社の社員のふりをしてTVを見せようと画策する」チャーリーの、あの一生懸命でバカバカしく、そして涙を誘われた(私だけ?w)場面。
エレベーターの中でスザンナとレイモンドが踊り、キスをする場面。

それから、チャーリーが「レインマン」は「レイモンド」の名に起因した名称だったことを知り、両親の思いを少し感じる場面です。
自分は愛されていなく、レイモンドだけが愛されていたのではない、ということ。
両親は2人を同時に守ろうとしていたこと。
それを知ったチャーリーの複雑な表情。
すべて好きでした。


最近私の中では微妙な扱いだった
トム・クルーズですが
若いね~、アツいね~、と少し見直してしまった次第です。


映画はいわゆる「ロードムービー」というやつで、これは本当の主題と関係ないのかもしれませんが
チャーリーは、本当はすごく両親に愛されて育っている子だと思います。
ただ「親の心子知らず」というやつですね。
彼がその愛を感じられずに育ったのは、ある意味とても不幸なことだったけど
感じて孝行したいときには、もう親はないわけですから。

一緒に暮らしていた時に一番欲しがっていた車をチャーリーへの遺産として遺したこと。
そこに、苦悩した末の父の愛が込められているように感じました。

自閉症の兄がわからぬままに弟を傷つけないように病院に入れたこと。
一緒に暮らせないから、そして自立が出来ないからと財産を残すしかできず、断片的にしかレイモンドに愛を与えられなかった苦悩。
そのくせ、そんなこと知らない弟のチャーリーが反抗し、結局こちらは愛を感じることなく育ってしまったこと。そんなチャーリーには「自立しなさい」というメッセージを込めて「車を遺す」しかできなかったであろう親心。

私はなんでだか、そこにすごくじ~んと来てしまったのです。

本当に、何でだかわかりません。
でも、そんな、あの映画に交錯する多くの人の「気持ち」を見るために
何度でも見たいな、と思ってしまう作品なのでした。

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